抄訳 InfoWorld: MySQL users caution against NoSQL fad

InfoWorldの記事に興味深い記事があったので抄訳。
タイトルは「MySQL users caution against NoSQL fad」で訳すと「MySQLユーザがNoSQLブームに警鐘を鳴らす」という感じでしょうか?2012年9月のMySQL Connect 2012でのパネルディスカッションの内容などをもとに、NoSQLテクノロジーは本当に必要なのかという疑問を提示しています。

以下は抄訳なので詳細は原文をお確かめください。
MySQL users caution against NoSQL fad | InfoWorld

Paypalの例

PayPalのチーフアーキテクトは「A lot of people think they have a big data problem, and a lot of times they don't,」「多くの人が"ビッグデータ"の問題を抱えていると考えているが、実際には多くの場合は問題では無い」として、「"ビッグデータ"ソリューションがかっこよく見えているだけだ」としています。

Paypalでは100TBのストレージを使って全世界の支払いデータの管理を行っています。一度書き込まれた支払いの情報は1秒以内に全世界のどこからでも参照できる必要があります。PaypalではAmazon Web Servicesの6拠点にデータを分散させてこの要件を実現しています。PayPalでは完全な高可用性はもちろん、高い拡張性を理由にMySQL Clusterを選択しています。

Twitterの例

MySQL導入事例
Tiwtterでは1億4000万以上のアクティブユーザが毎日4億以上のメッセージをツイートしています。それぞれのメッセージぶはインデックス化およびメタデータによる属性の設定なども行われます。TwitterではMySQL 5.5.を改変した独自バージョンを使用し、6人のデータベース管理者が数千台のMySQLサーバを管理しています。NoSQLではなくMySQLを利用している理由は、1) MySQLの内部構造を含め拡張性を持たせるノウハウを多く持っている 2) バグを修正しMySQLの次のバージョンに含める方法を分かっている 3) わずかなチューニングで多くのクエリを処理できる 4) InnoDBはデータを失う心配が無い としています。

多くのNoSQLベンダがNoSQLの方がRDBMSより速いとしていますが、Tiwtterでは「Often that is not true,」「多くの場合そうではない」との見解を示しています。独自のシャーディングおよびレプリケーション機能をGizzardというソフトウェアにしていますが、これもMySQLをバックエンドのデータ管理に利用しています。

Playful Playの例

MySQL導入事例
Playful Playはメキシコを拠点とするオンラインゲーム企業で、最近急激なユーザの伸びを見せています。メキシコの長寿コメディ番組"El Chavo"をベースにしたゲームが3百万ユーザを超える大ヒットとなり、毎日3万ユーザが新規に利用しています。当初はコミュニティ版のMySQL Clusterで構築していましたが、劇的なユーザの増加に「we got very scared」「恐ろしくなった」ため、オラクルのサポートを利用しパフォーマンスの問題などを解消しました。

現在は24サーバのMySQL Cluster Carrier Grade Editionを、ユーザの属性情報、アバターのプロフィール、および広告データを格納しています。12台は本番運用に利用し、残りはマーケティング用の分析、開発用途などに利用しています。現在は番組が放送されたラテンアメリカやトルコ、スペイン、フィリピンなどへの海外展開のために、1億ユーザに耐えられるインフラ作りを行っています。


MySQL ClusterもMySQLサーバも引き続き大規模なWebでも幅広くご利用いただいており、MySQL 5.6によってさらに強化されていきます!